協議会の役割とは
地域猫発祥地の横浜市磯子区で当初に設立された、いそねこ協議会(磯子区猫の飼育ガイドライン推進協議会)のメンバーと話していた中で、ボランティアに相談すればすぐ来て、すぐ保護してすべて解決してくれると思っている人が増えている風潮にあり大変困っていると聞きました。おそらくマスコミによる美談、誇大報道の影響でしょう。(磯子区猫の飼育ガイドライン)
いそねこ協議会は、1999年に施行された「磯子区猫の飼育ガイドライン」を広く普及させるために設立されたボランティア組織で、会員からの寄付、募金で運営される団体です。
メンバーは、動物病院、自治会・町内会、動物ボランティアなどの区民からなり、あえて異動でどんどん入れ替わる行政職員は除いて設立されたものです。(いそねこ協議会ホームページ)
ガイドラインで示されている地域猫活動は、住みやすい地域にするための住民活動であり自分たちで行動するものなので、協議会は「このまま何もしないと大変なことになるので、今から地域で行動する必要がある」旨を伝え、地域のお手伝い、アドバイスをする役割であると考えます。決してトラブルの尻拭いで追われるものではないのです。
もう一度、いそねこ協議会の役割を再確認するとともに、原点に戻ってガイドラインの内容を理解徹底させる必要を再認識しました。
ノラ猫にエサを与える人は必ずガイドラインを守りましょう。
磯子区猫の飼育ガイドライン(遵守事項より)
外猫(ノラ猫)の場合
【飼育管理について】
- 外猫の面倒を見ようという人は、できるだけグループや集団で役割分担しながら活動し、代表者を決める等責任の所在を明らかにして、世話をする人が孤立しない様に、周辺住民の理解を求めるよう心がけること。
- エサ場は、周辺住民の一般生活上支障のない場所を決めて、そこの場所以外ではエサを与えないこと。また、エサは決められた時間※1に食べ切れるだけの量を与え※2、食べ終わるのを待って※3から回収、清掃を実施し、常に清潔を心がける※4こと。置きエサは、周辺住民の迷惑になるので絶対にやめること。※5
- エサや水は健康支持を考えて十分配慮すること。※6
(例)牛乳は、軟便につながることが多いようです。ねり製品ばかりをやらないようにしましょう。 - エサ場周辺の排泄しやすい場所に猫用のトイレ若しくはそれに準ずる物あるいは場所を設置し、そこで排泄するようにしむけ、速やかに始末するように心がけること。
- 猫用トイレ以外の場所のフンも、エサを与えた結果として片付けるように心がけること。
- 猫のフンだけに限らず、周辺環境の美化に努めましょう。
- 他人の土地のフンについても、連絡通報があれば快く回収、清掃して、周辺住民との円満な付き合いができるよう努力しましょう。
- 庭や近所の立ち木が傷つけられるのを防ぐために、ジュウタンを裏返しにしたものやツメとぎ板になるものを用意するよう心がけること。
- 食物を十分に与えて※7生ゴミ等「あさる」ことのないように飼育すること。
【健康管理について】
- 外猫の面倒を見ようという人は、今以上に頭数が増えないように必ず不妊去勢手術を実施し、ピアスやイヤーカット等の目印を付けて終生世話をすること。
- 不妊去勢手術の利点を十分に理解した上で繁殖制限の措置を行いましょう。
- 手術のために捕まえることが困難な場合は、獣医師、動物愛護団体、福祉保険センター等に問い合わせて助言を求めること。
- 猫が病気や負傷をしている場合は、獣医師若しくは福祉保険センターと相談し、責任をもって対応すること。
- 治療困難な場合は、安楽死処置もやむを得ません。
- 伝染病や寄生虫等の予防、健康保持のため必要な措置を行うこと。
【その他】
- 猫が侵入するのに好ましくない場所(砂場、芝生等)に関しては、侵入防止等の方法を試みること。
ガイドライン徹底解説!外猫(ノラ猫)編
※1エサやりを決めた場所で決められた時間に行うのはなぜ?
- 猫は毎日同じ場所、同じ時間に給餌するとその時間に来るようになり、管理がしやすくなります。 未手術の猫を発見しやすくなり、不妊・去勢手術につながります。
- 猫は食事の後、近くでトイレをすることが多いのでトイレの場所や掃除の時間を決めやすくなります。フン尿被害の対策につながります。
- エサを与える場所と時間が決まっていれば、猫の被害などをタイムリーに相談することができます。
※2食べ切れるだけの量を与えるのはなぜ?
- 猫がエサを食べ残した場合、捨てるのがもったいないからと置きエサをしてしまう人がいるから。
- 食べ終わったら(食べ残していても)すぐに回収し、必ず持ち帰ること!
※3食べ終わるのを待つ間、近くに居ればいいだけ?
- 猫がエサを食べ終わるのを待つ間、エサにイタズラをされたり、カラスがエサを狙ったりと、何が起こるかわかりません。待つ間は近くに居て、エサから絶対に目を離さないでください。
※4エサを回収し、清掃を実施し常に清潔を心がけるのはなぜ?
- 外猫の飼育管理をするのは、猫によるトラブルをなくすためです。地域の環境を良くするという視点で行動するようにしましょう。
※5置きエサを絶対にしてはいけないのはなぜ?
- 置きエサ(放置されたエサ)は、腐敗し悪臭がする、虫がわく、周囲から猫が集まる、カラスやネズミがエサをあさる、アライグマやタヌキなどの野生動物が人の居住区域に出没し被害が出るなどトラブルの元です。迷惑になるので、絶対にしてはいけません。
※6猫の健康を考えてエサや水に十分配慮するのはなぜ?
- エサはキャットフードにしましょう。
- 人間の食べ物は与えないでください。味を覚えると、生ごみをあさるようになります。牛乳などは、軟便になることもあるので、周辺地域でフンのトラブルが増えます。
※7食べ物を十分に与えるのはなぜ?
- エサを十分に与えて健康的な外見になれば「かわいそうに」と通りがかりにエサを与える人がいなくなります。猫も生ゴミをあさらなくなります。