地域猫推進寺

地域猫活動の誤解

地域猫活動に保護譲渡活動は含まれない!

現在混乱、誤解されている地域猫活動について考えてみた。
多くのHPやFacebook、Twitterの投稿を読んでいると、どうも地域猫活動のことを「ノラ猫対策」として広い解釈で捉え、他の活動と一緒になって言葉が使われ拡散しているような気がする。
あくまで地域猫活動は、ノラ猫の問題を考える「ノラ猫対策」の一つの方法なのである。

現在、法的に曖昧な「ノラ猫対策」として実施されているのは、地域猫活動、TNRと保護譲渡活動が考えられる。
地域猫活動は、ノラ猫によるトラブルをなくすことが目的で実施される地域住民の活動であり、TNRはノラ猫の数を増やさないことが目的、保護譲渡活動は、外暮らしから新しい飼い主を探すことを目的にした動物愛護の活動だ。

それぞれ目的が違う大切な活動なので、否定や批判をするものではない。目的に合った自分が出来る範囲の活動で進めば良いと思う。

TNRはノラ猫を増やさないための方法であり、地域猫活動はTNR実施後さらにノラ猫の世話等を管理することで住民の合意(全員賛成ではなく、反対しないで見守る)が得られて実施するもので、ノラ猫のことだけではなく関わる人の問題も解決することでトラブルをなくしていく方法だ。

数多くのノラ猫がいる地域で、全部のノラ猫を保護するとボランティアや保護する人が崩壊してしまうために、それが出来ないということで地域猫活動は考えられた。保護できるキャパシティのある団体、人なら良いが、感情だけで施設や人的余裕のない人達が無理をして多頭飼育崩壊に繋がっているケースも多く見られている。

 保護譲渡活動は、地域猫活動やTNRを実施後等でノラ猫の数が減った所から始める活動だと思う。
実際に結果を出している千代田区や台東区は、長年のTNRや地域猫活動をほぼ終了して、数少なくなったノラ猫(主に捨て猫)を次のステップとして保護するだけに至っている。
まだノラ猫が多数いる所で、成功例を真似して保護だけを進めることは危険だ。

確かに保護すれば、今いるノラ猫がその場から居なくなり困っている住民から喜ばれるし、保護した人もノラ猫を救えて満足であろうが必ず限界がくるはずだ。それを承知でも猫のために頑張るというのであれば立派な動物愛護活動だと思う。だから中途半端な気持ちでは関わらないでほしい。

地域猫活動に保護譲渡も入れたら良いと言う人もいるようだが、保護譲渡活動は住民が関わる住民活動の部分がないので地域猫活動ではない全く違う活動である。地域猫活動をしていても保護するケース(負傷や老齢、慣れている猫)もあるが、それが主たる活動ではないことを理解してほしい。

現在では地域猫活動の言葉だけが独り歩きし、一般の人達には保護譲渡も含まれた活動と混同された解釈で誤解されているために住民活動まで至らないで、ボランティアや猫好きがやるものと思っている人達が多いのだろう。
地域猫活動は猫好きの活動と言うよりも、むしろ嫌いや困っている人が率先して参加するものである。
もう一度原点に戻って目的を理解し、それぞれの活動を普及啓発してほしい。

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