「ノラ猫ゼロ」が目標ではない
ある地域猫セミナーに参加していた住民から「地域猫活動は、不妊去勢手術をして一代限りの寿命まで地域で世話をし、すべて死んでノラ猫をゼロにするのが最終目標のはずだ。ノラ猫ゼロが目標ならば多少は我慢するが、人と猫の共生なんていうのが目標ならば反対だ」という発言があった。
長い途中経過がすべて省略されて、結果を急ぎ過ぎている。
地域猫活動は、まちづくりでありコミュニケーションを図りながら地域の猫トラブルをなくすことが目標で、ノラ猫をゼロにすることが目標ではない。
飼い主のいない猫が、全地域で完璧に地域猫活動を実施され見守る猫がいなくなると同時に、飼い猫もすべて適切に屋内飼育されれば、外にいる猫は結果としてゼロになるだろう。決して目標ではなく、理論上到達する可能性もあるという話である。
私は当初から地域猫活動は、外猫と飼い猫の両方がしっかり管理できるまでの過渡的対策であると位置づけていた。
現在の地域猫活動の普及や飼い猫の飼育状況を考えると、100年先でもゼロになることはないだろう。
だから長い目で見て、今できるノラ猫対策の一つとして地域猫活動を勧めているのである。
ノラ猫がゼロになるためには
ノラ猫対策と飼い猫対策の両方が完璧に実施できた場合のみ!